C240(8万キロ走行) エンジン不調 (05月21日)
2006年 05月 21日
エンジンから1気筒失火している様な振動が発生する、との症状をうかがい、早速故障診断コンピュータでテストしましたところ、案の定2番シリンダーのプラグが正常に点火していないことが判明しました。
97年以降のV型6気筒(E/g型式M112)エンジンでは、ツインスパークイグニッション式を採用していますので、1気筒に2本ずつ計12本のプラグとプラグコードを備えています。そしてそれらに電流を送り込むためのイグニッションコイルも、各気筒にひとつづつ備えるダイレクトイグニッション式となっています。ダイレクトイグニッションシステムは、従来のデストリビュータ式の点火システムと比べてより正確できめ細かな点火制御が可能ですが、メンテナンスという点から見ると、部品点数が多いためどうしても割高になってしまいます。
今回の案件では、失火している2番シリンダーのプラグ、プラグコード、イグニッションコイルを交換すれば、現時点でのエンジン不調は解消できますが、交換していない気筒のプラグ、コード、コイルも少なからず2番シリンダー同様、経年劣化を起こしているはずですから、いつまた同様のトラブルが出るとも限りません。そこで今回は違うシリンダーでの同じ故障を未然に防ぐとともに、最終的なコスト(特に工賃)を削減する意味も含めて全気筒分交換をご提案し、お客様にご理解いただいた上で、全気筒分まとめての交換作業となりました。
余談ですが、90年代後半から各モデルに採用され始めたこのSOHCヘッドを搭載したV型エンジンでは、同様の点火系トラブルが比較的多く見られるようです。部品代が高めですので(1気筒分で約5万円)、なるべく避けたいトラブルですが、残念ながら現状では壊れたら部品を交換する以外には対策方法はなさそうです。
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